2013年1月22日火曜日

『脱ニッポン記』著者米田綱路さんを地方紙各紙が紹介


下記の各紙に、『脱ニッポン記』の著者、米田綱路さんへのインタビュー記事が出ました。共同通信の配信です。

◆1月12日(土)
沖縄タイムス

◆1月13日(日)
四國新聞/大分合同新聞/山梨日日新聞/琉球新報/徳島新聞/宮崎日日新聞/熊本日日新聞/下野新聞/秋田魁新報

◆1月20日(日)
信濃毎日新聞/高知新聞/東奥日報/福井新聞/中國新聞

◆1月27日(日)
京都新聞/新潟日報

◆2月3日(日)
山形新聞/愛媛新聞/岐阜新聞/佐賀新聞

-------【紹介記事内容】-------------

精神史掘り起こす旅

 「本を介して人に会い、話を聞く。ずっとそのことばかり繰り返してきました」。ジャーナリストの米田綱路さんの新著には、人々の精神的な営みを記録する各地の書物を手掛かりに、北海道から沖縄までを長年渡り歩いた思索の旅が凝縮されている。
 新聞記者などを経て、週刊の書評紙「図書新聞」の編集長に。その後も同紙のスタッフライターとして、数々の「書評的ルポ」を発表してきた。夜行バスで北へ南へ。有名無名の作家たちの言葉に耳を澄まし、作品の現場を歩く。「そうすることで、目の前の風景が変わって見えてくる。それぞれの風景の奥に埋もれた歴史や記憶を掘り起こし、「列島の精神史』としてつなげたかった」
 北海道開拓の入植者の苦労が美談として語られる陰で、土地を追われたアイヌ民族の歴史を追うルポ。東北の労働争議をめぐる、表の記録には出てこない「資料の裏で生きてきた人たち」への聞き書き。筑豊の炭鉱を描くことで「日本資本主義のはらわたを凝視」した作家上野英信の著作の数々―。生まれ育った朝鮮半島から福岡へ渡り、戦後に半島と切り離された詩人森崎和江さんとは、玄界灘を望む海岸を一緒に歩き、「魂の原郷」に思い尋をはせた。
 「書物は、見えないものを映し出す鏡。現代社会が忘却のふちへ追いやったものに到達できる重要なメディアなんです」 その旅路の途中、東日本大震災と原発事故は起きた。刹那的な情報やスローガンに人々の暮らしが流されそうになる中、自分に何ができるか。真掌(しんし)な問いの先で米田さんは書く。「置き去りにされてきたものを歴史的に訪ねて、朽ちることのない精神のありかを凝視しようとすること」だと。震災後の三陸海岸のルポでは、過去の津波災害の記録や宮沢賢治、高村光太郎らの作品の現場をたどり「進むべき線路」の行き先を自問した。「迂遠(うえん)のようであっても、本を読み、各地で紡ぎ出されてきた思想を新たに見いだすことで、震災後の私たちの未来像が描けるのではないか」。本書がたどる長い旅の終わりには、そんな予感に満ちた風景が広がっている。