2012年12月3日月曜日
沖縄米軍基地問題と福島原発事故問題に相通じる構造的差別を撃つ!
小社刊『〈基地の島沖縄〉国策のまちおこし――嘉手納からの報告』の著者・渡辺豪さん(沖縄タイムス社論説委員)が「沖縄タイムス」紙上でインタビューして連載した文章(『国策を問う』~沖縄と福嶋の40年~。2011年12月から12年7月に連載)がこのたび、徳間書店出版局編『この国はどこで間違えたのか――沖縄と福嶋から見える日本』(徳間書店、11月30日)と題して刊行された。
小社刊『国策のまちおこし』は3・11以前の2009年10月に出版され、国策を逆手にとって町づくりをした嘉手納町の姿を通じてアメとムチの構図に鋭くせまったルポだが、東日本大震災・福島原発事故後に刊行された本書も、原発事故、オスプレイ配備などの「国策」のひずみを8人の識者と対談して問い直した、続編ともいえる本である。
3・11を経て多くの国民は、沖縄米軍基地問題と福島原発事故問題に相通じる構造的差別や、地方を犠牲にして成り立つ「国策」は本当の「豊かさ」をもたらさないことに気づきはじめた。しかし、「国策」という名の「幻想」は3・11を経たいまなお、権力者・既得権益者によって維持・拡大されようとしている。総選挙を前にぜひ読んでもらいたい一書と思う。(小木)