7月15日(日)の『しんぶん赤旗』「読書」面で、『フィリピン民衆vs米軍駐留』が書評されました。
書評全文を引用します。
評者は布施祐仁さん(「平和新聞」編集長)です。
著者のシンブランさんが11月に来日予定だと、初めて知りました。お目にかかるのが楽しみです。
16日の「さよなら原発」の集会に参加しました(暑かった!)。落合恵子さんが、原発とオスプレイは「同じ問題」だと発言していました。まさにそのとおり。原発反対!! オスプレイ配備反対!!
(新田)
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●歓喜の「その日」、日本でも
今から20年前の1991年9月16日、フィリピン上院は、米軍基地を存続させようとする米国のたくらみを打ち砕き、基地撤去を決めた。その瞬間、議事堂の外に集まっていた15万人を超える市民は、豪雨の中で歓喜の声をあげたという。私は、20万人が首相官邸前に集まった先日の原発再稼働反対行動の光景と重ね合わせた。想像できたことが少しうれしかった。
当時、上院で主導的な役割を果たした議員の政治顧問を務め、米軍基地撤去を実現した「理論的支柱」とも言われているのが著者である。
本書には、「植民地」時代も含めて約1世紀にわたり米国に従属してきた同国がなぜ米軍基地撤去を実現することができたのか、基地時代の三倍の雇用を生み出している跡地利用の成功はどのようにしてもたらされたのか――などについて詳細に記述されており、日本で米軍基地を撤去しようと運動している我々にとっても参考になる点が多い。
訪問米軍地位協定(VFA)や相互兵站(へいたん)支援協定などを隠れみのにした憲法違反の米軍「再駐留」、フィリピン軍への訓練や共同演習を名目にして米軍が南部ミンダナオ島などで行っている「対テロ戦争」の実態を告発している。同国では現在、「中国の脅威」を口実とした米国との軍事同盟強化が勧められ、日本と共通する点も少なくない。
著者は「基地に終止符を打ったのは民衆のパワーだった」とのべているが、日本でも民衆の力で米軍基地を撤去する日が必ず来る。フィリピンの闘いにも学び、「その日」に向けた歩みを進めたい。著者は、今秋の日本平和大会in東京に参加予定。