佐藤真著『〈増補二版〉日常という名の鏡――ドキュメンタリー映画の界隈』が、『図書新聞』(3227号)2015年10月24日号で書評されました。評者は、『シモーヌ・ヴェイユの詩学』(慶應義塾大学出版会)などの著者であり、「現代史手帖」の特集版でヴェイユの哲学・思想について編集された今村純子さんです。「ドキュメンタリー映画の奇跡と呼びうる」(今村さん)佐藤真監督作品『阿賀に生きる』は公開以来20年を越えた現在でも各地で上映され、多くの鑑賞者を魅了しています。今村さんはその〝秘密〟を、「大地に根ざして生きる3組の老夫婦の存在の強さであり、その強さが醸し出す圧倒的な美」と指摘されたうえで、「『阿賀に生きる』と双璧をなす、佐藤真監督の処女作にして代表作」である本書の書評を通じて、「いったいどうしてこうのような映画が誕生したのか」を明らかにされています。今村さんの書評をご覧になった読者はぜひ、本書を手にとってご覧ください。(10月20日・小木記)